Wednesday, July 4, 2012

Big Tent 2012 -自然災害とIT活用に関する国際会議 の覚書き



※写真は@koh_t氏より拝借させて頂きました。不都合があればご連絡くださいませ。


7/2仙台、Google主催によるBig Tent 2012 -自然災害とIT活用に関する国際会議に参加してきた。

当エントリーでは、内容については深く突っ込んでいません。主催社Googleからのまとめや、ほかの方のまとめを楽しみしています。


さて、今シンポジウムの参加の大きな目的は2つあって、それらについて覚書をしておく。
1. 企業における有事の際の対応状況を知ること
2. 参加されている方々がこのような社会的行動にどのようなスタイル/スタンスで参加しているのかを知ること


かなり私的な目的のため、全体の内容について興味がある方は、公式サイトTogetterをご覧ください。全体の流れはなんとなく掴めるかと思います。




1. 企業における有事の際の対応状況
「ネットからリアルへ:救助・救援・復興まで、被災地における支援の計画と管理」というのが目当てのセッションの一つ。Amazon Japanの渡辺氏、ヤマト運輸の田中氏、クライストチャーチ・スチューデント・アーミーを組織したサム ジョンソン氏、MIT 人道対応研究所 創設者兼所長のジャロット氏をゲストに、MITの石井先生がモデレーターとして進行。


なぜ、「企業における有事の際の対応」に興味が有るかというと、「気軽に」支援活動が出来るコミュニティの底上げに繋がるのではないか、と考えているからだ。「気軽に」というのが重要で、感覚的なものだけれど、日本人の少なくない人達はボランティアの強迫観念があるがゆえにボランティアをしにくい環境下にあるという人が多くいると感じている。


どういうことか。


一度続けたら暫く続けなければならないのではないか。そんなに使命感はないけれど、誰かを助けたい。けれど、使命感に燃える人の情熱を前にすると一歩引いてしまう。やり続けることは出来ない、意味もわからなく後ろめたさを感じてしまう。そんな立派なことは、それを使命に感じているひとがやればよいのでは。などなど。


これらは、最終的には強迫観念にちかい感情を生み、結果的に何もしない/できない、という状況に派生しているのではないか考えている。(この点はそのうち数字などを調べていくつもり。)


そこを打ち破る何かがあれば、もっとカジュアルなボランティアや支援ができる環境があれば、助け合いの機会を少しでも増やす一歩だと考えて、私自身まだまだ勉強不足だけれど軽い気持ちで参戦。


さて。話を戻して、企業における有事の際の対応には、企業側と生活者側のそれぞれの立場で2つのプラスの側面があって、企業側として、支援をすること自体が企業の直接的ではない利益(CSR視点など)を享受できる可能性があるということ。また、生活者側として、それを土台に様々な分野、状況で支援をしやすい環境が生まれるのではないか、ということ。この2つがソーシャルメディアに乗っかることで相乗効果を生むのではないか。というのがそもそもにある。



もちろん、企業によって支援の方法は違うと思うし、そこに強制力はないけれど、企業はCSRの一環としてこのような活動をどんどん行うべきで、この点は、私が注目しているCause Related Marketingの思想にもつながってくる。


いずれにせよ、マニュアル化などしにくい/出来ない有事の際の対応は、企業(人)としての生き様みたいなものが出来るだろうから、それが出来る企業がどんどん活動量を増やし、やりたいけれどどのようにやればよいかわからない企業へのお手本となることでどんどん母数が増えれば良いと思う。


その一方でそのような活動が増えすぎることによる懸念点や(悲しいけれど)悪用されてしまうようなリスク低減を行うために、何らかしたの一定のルールは必要になってくるはずなので、その点はどうしたらよいのだろうか、と考える必要がある。


さて、具体的なセッションの内容は、harapon1012氏が「Big Tent 2012 -自然災害とIT活用に関する国際会議-に参加してきた」という記事の中でまとめてくださっているのでそちらのほうが分かりやすと思うので詳しくはそちらをご参照いただきたいのだが、大きな話の内容は、東日本大震災におけるゲスト企業の支援活動の事例紹介やニュージーランドで発生した地震の際にFacebook上で組織したボランティアグループ、クライストチャーチ・スチューデント・アーミーの話などが主。


面白い質問が慶応大学の教授・村井さんからあって、「競合他社と支援活動が競合してしまった場合どうするか」というような意図のもの。


各社の回答はというと、
本来協力があるべきであるが,民間企業である以上,自分たちの企業イメージを上げていくということもある.その意味において我先で行動してしまうのも事実.(ヤマト)
引用:Big Tent 2012 -自然災害とIT活用に関する国際会議-に参加してきた

理想的には競争相手とも政府とも協力しなければいけない.しかし,政府・地方自治体との協力もなかなか難しい.民間企業と公共団体では方針が大きく異なる.前述の公平性の観点のように,民間企業はいまできることをとりあえずやることを考えるが,公共団体はそれによって不公平が生じてしまうことを避けようとする.そのすりあわせは難しいが,協力は重要だと考えている.(amazon)

引用:Big Tent 2012 -自然災害とIT活用に関する国際会議-に参加してきた


ということでした。


支援の箱となる部分は幾つものレイヤーと広さが違うので、この点は官が手動になって指揮が出来る仕組みがあれば、というのは理想論かなぁと想いつつも頭にあったものの、Amazon渡辺氏の回答にあるように、東日本大震災下では効率的に機能しなかったようです。民間と企業との視点の違いがあるが故に発生していると考えると、すぐに解消するのは難しいテーマで、深く考えるべきテーマの一つです。


また、Amazonはその回答を得て結果的に

しかし,自分たちはその時点で重要な問題は平等性よりも緊急性だと感じた.そこで,方法論を変えて,ボトムアップの方法論に変えて,各避難所と連絡を取った.


という形で柔軟に切り替えて支援を行ったのは、本当に素晴らしいことだと思う。



2. 参加されている方々がこのような社会的行動にどのようなスタイル/スタンスで参加しているのか
実は、今回の参加の目的は、実は個人的にはこちらのほうが重きを置いていた。
カナダから東京に帰国し、今後のワークスタイルとライフワークスタイルとのバランスをどのようにするかを実際に参加されている方々とお話をして知ること。


実際に色々な方々にお話ができて、参加されている方々の所属やスタイルなどを通じて、自分自身が考えていた方向性の裏付けになる時間とできたのは本当に有意義なことだった。


以上。


最後に。
今回のシンポジウムは、無料で参加Google、スポンサーのかたのご好意で無料での開催でした。会場も立派なもので、食事もついており、とてもびっくりしました。このような機会を敷居を低く設定頂いて感謝の意を表します。また、設営や当日の進行をされたみなさま、ありがとうございました、お疲れ様でした。

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